ボトルの形によって味わいをイメージする
2017/06/22
今日、世界中で楽しまれているワイン。今回はボトルの形とワインのキャラクターの関係性にフォーカスしたいと思います。基本的なボトルの形状は下記のように分けられます。
・ボルドー型(いかり肩)
・ブルゴーニュ型(なで肩)
・フルート型
・ボックスボイテル型
・頭でっかち型
・フィッシュ型
・くびれ型
・スパークリング型
《ボルドー型》
言わずと知れたボルドー地方のワインによく見られる形です。赤ワインではカベルネソーヴィニョン、メルロー、カベルネフラン、シラー、イタリアのネッビオーロ、スペインのテンプラニーリョ等が挙げられます。ワインの特徴はしっかりとしたボディで重めです。白ワインではシャルドネ、ソーヴィニョンブラン、シュナンブラン、セミヨン、ミュスカ、日本代表品種である甲州等です。辛口から甘口でフレッシュなタイプからコクのあるタイプ、単一品種からブレンドまでバラエティも豊かです。
《ブルゴーニュ型》
ボルドータイプと対極にあるのがブルゴーニュタイプです。ボルドー型がいかり肩なのに対し、ブルゴーニュ型はなで肩です。ピノノワールなどの比較的、軽い品種が単一で用いられる傾向があります。また、エチケット(ラベル)の上部に模様が施されたローヌのシラーやムールヴェードル等にも見られる形です。ロワールの辛口のすっきりとしたソーヴィニョンブランやシュナンブラン、ブルゴーニュのシャルドネでは樽を利かせたふくよかなタイプが多く見られます。その他、ボルドー型と併用してピノブラン、ビオニエ、ミュスカ、セミヨン等も同様に使われます。
ボトルの形は産地の伝統だけでなく、ワインのタイプによっても選ばれます。例えば、赤ワインでは、品種や醸造方法によってタンニン含有量が異なります。タンニンの強さによりボルドー型とブルゴーニュ型に分けられます。ボルドー型はタンニンが重厚な傾向が大きいので、いかり肩で滓がグラスに流れ込むのを防ぎます。ボトル底の凹み(パントやキックアップと呼びます)も深く、滓は底にうまく沈殿する仕組みとなっています。一方、ブルゴーニュ型はタンニンが少なく軽いので、なで肩で凹みもボルドー型ほどありません。ワインのタイプ別に理にかなった選択ですね。アメリカやオーストラリア等の新世界のワイン生産者は、それぞれが造り出したいワインのイメージにブランドイメージがマッチングするタイプを選定しています。
《フルート型》
ブルゴーニュ型より5~6㎝背が高く、痩せ形なのがフルート型です。アルザスのピノノワールもこの形を好みます。フルート型=フランスのアルザス地方やドイツの白というイメージです。品種は両地方の代表格であるリースリングを筆頭にピノグリ、ゲベルツトラミネール、ミュスカ、ピノブランが挙げられます。冷涼な地域なので酸は豊富です。香りは白いお花、柑橘香、バラ香水とアロマティックで全体的に華やかな印象です。辛口から甘口まで幅広くありますが、若いうちはややシンプルな味わいのワインが大半です。ドイツでは伝統を守り、ラインガウでは茶色いフルート型ボトルを用いて、コクのあるタイプ。モーゼルでは緑色のボトルを用いて、爽やかな中甘口に仕上げています。ちなみに、ボトルのカラーはボルドー型の赤ワインは濃い緑色、白ワインは薄い緑色、ブルゴーニュ型は濃い緑色が使われます。早飲みワインやカラーが売りのロゼワインは透明色のボトルを使用しますが、長期熟成型のワインは光劣化を防ぐ為、赤ワインは補色である緑色を用いて遮光をしています。
《ボックスボイテル型》
平たく特徴的なこの形はドイツのフランケンで有名な白ワインです。ボックスボイテルとは、山羊の陰嚢と言う意味で平たく模った形は、革製のワイン袋を運搬用に使っていた昔の名残です。シルバーナーという品種からドライでミネラル感に溢れた、引き締まったワインを生み出します。また、ポルトガルの微発砲ロゼワイン、マテウスもこのタイプの形で、酸が強くやや甘口なのが特徴です。
《頭でっかち型》
いかり肩ですが、足先がすぼまった形をしています。イタリアやチリワインでよく見かけるボトルで、赤白いずれも力強い仕上がりになっています。カベルネソーヴィニョン、シラー、マルベック等を用いたパワフルで樽のニュアンスも強いのがこのタイプです。
《フィッシュ型》
名前の通り横から見るとお魚のように見える為、そう呼ばれています。イタリアの中部に位置するマルケ州やラッチオ州のヴェルディッキオ等を使った辛口の軽い白ワインに見られる形です。
《くびれ型》
フィッシュ型と若干、似通った形をしています。フランス3大ロゼ産地のプロヴァンス地方のロゼに使われます。品種はグルナッシュ、サンソー、カリニャン、ムールヴェドル等です。ドライな軽い口当たりで酸も中程度です。フランス3大ロゼの他2か所、アンジュとタヴェルはブルゴーニュタイプが主流です。プロヴァンスはニースやマルセイユの観光地の目玉としてもこの形のロゼが定着しています。
《スパークリング型》
スパークリングワインはブルゴーニュタイプと同様になで肩が一般的ですが、5気圧もの大型車のタイヤぐらいあるガス圧に耐えられるよう、ボトルは厚めに設計されています。その為、通常のワインボトルより300~500g程度重量があります。また底の凹みであるパントも他のワインと比べて、深くなっているのが特徴です。これも反りによってガスの圧力を分散するのが目的です。(貯水ダムが圧力で決壊しないよう、壁が反っている原理と同じです)気圧で飛び出さないよう、コルクも針金でしっかりと固定されています。余談ですが、貴腐ワインやアイスワインは生産量も少なく、高価なワインである為、細いボトル仕様で少量を提供しています。
ボトルの形と予想される品種やワインの味わいをお伝えして来ました。ワインそのものも多様性に溢れていますが、ボトルひとつをとっても土地の伝統、品種の個性、利便性、ブランドイメージを追求して今に至ります。ボトルの形によって味わいをイメージする。イメージ通りの時もあるかもしれませんが、意表を突かれる時もあるかと思います。そんな一貫性に欠けているのもワインの醍醐味のひとつかもしれませんね。
私がお勧めしたいスロヴェニアのオレンジワインのご紹介です。ウェブショップの一般小売以外に飲食店や酒販店などの業務店向けにも対応しています。お気軽にお問い合わせ下さい。info@365wine.co.jp 担当:大野
ゴールドカラーの外観、熟した黄桃の香りがします。柔らかい酸と濃厚な果実味が見事に調和を見せます。 和食全般、チヂミ、チャプチェなどの韓国料理とよく合います。
《べリピノ2012》
品種:ピノブラン
産地:スロヴェニア
タイプ:辛口白(オレンジワイン)
価格:3,600円
ゴールドカラーからは華やかな木なりの果実とはちみつが香ります。柔らかな酸と程よい酢酸エチル、溶け合った甘味がバランス良くまとまっています。4種類の果実がもたらす複雑味のあるワインです。シーフード、チキンのオリーブオイルソテー、オリーブ、ドライオレガノ、ジビエのグリル、ブルーチーズ&ハニーなどとどうぞ。
《ルイーザ2011》
品種:レブラ、シャルドネ、ソーヴィニョネーズ、ソーヴィニョンブラン
産地:スロヴェニア
タイプ:辛口白(オレンジワイン)
価格:4,500円
清涼感ある香りと黒系果実の香りがします。カシスリキュールやジャムのような凝縮された果実味が感じられます。生き生きとした酸と丸みのあるタンニン、アルコールのボリュームがバランス良いです。旧世界にも新世界にも当てはまらないユニークで面白味のある味わいです。牛サーロイン、ランプステーキ、仔羊ステーキ。ローストビーフ、シチュー、焼き肉などの肉料理全般に合います。
《カベルネソーヴィニョン2013》
品種:カベルネソーヴィニョン
産地:スロヴェニア
タイプ:フルボディ赤ワイン
価格:2,980円
濃いピンクカラーの外観、ローズや赤系ベリーの香りがします。フレッシュな酸と厚みのあるボディ、ミネラルが豊富でバランスも取れています。白ワインと赤ワインの両方の良いところどりしたロゼ。高めの温度で大きなグラスで頂きたいワインです。 サラダ、グラタン、餃子、漬物、チキン南蛮など。和洋中、前菜からメインまで幅広く合います。
《バルベーラロゼ2015》
品種:バルベーラ
産地:スロヴェニア
タイプ:辛口ロゼワイン
価格:2,800円
ゴールドカラーのワインからは、パイナップルや桃などの完熟した木なりの果実香が広がります。辛口で旨味と厚みが感じられます。酢酸エチルのニュアンスが非常にチャーミングで、ワインに奥行きを持たせます。 しょう油を使った料理、筑前煮、肉じゃが、すき焼き、焼き鳥たれなどとよく合います。
《レブラ2014》
品種:レブラ
産地:スロヴェニア
タイプ:辛口白ワイン(オレンジワイン)
価格:3,600円
ゴールドがかったイエローカラーの外観。レモンなどの柑橘と塩、ゼラニウムや干し草が広がります。ミネラルが豊かでフレッシュな酸が特徴です。清涼感のある辛口白ワインは、これからの季節にぴったりです。シーフード全般と合います。カルパッチョ、刺身塩、アジのフライ、エビフライ、白身魚のフライ。秋刀魚の塩焼き、ほっけの一夜干しなどとご一緒にいかがでしょうか。
《トレゾール2014》
品種:ソーヴィニョネーズ
産地:スロヴェニア
タイプ:辛口白ワイン
価格:2,800円
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