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二日酔い予防

      2016/11/23

アルコールの上手な付き合い方、分解のメカニズムと二日酔い予防についてお話しましょう。百薬の長と言われるよう、適量の飲酒は薬にもなります。少量ならリラックス効果も期待でき、実際に全く飲まない人より、適度の飲酒をする人の方が循環器系疾患の死亡率が低くなる事が報告されています。

 

アルコールの分解は男性では1時間に平均9g、女性では6.5gです。ビール中瓶500ml(20g)を摂取すると男性では分解に2.2時間、女性では3時程度かかります。分解速度は個人差が大きいのであくまでも目安値です。体格や体質によりますが、ビールなら350ml缶1~2本、ワインならグラス1~2杯(150ml~250ml)程度のアルコール量/日が適量とされています。

 

いくら百薬の長と言われても、度が過ぎるとそれは毒と化します。アルコールの過剰摂取は運動機能を麻痺させたり意識障害を引き起こします。急性アルコール中毒による昏睡、チョーキングで搬送中~病院での死亡率が90%にもなります。20~40代を中心に年間1万1000人以上が救急車で運ばれているというデータがあります。

 

アルコールは麻薬やニコチンと同様、依存性が極めて高く、依存症との診断された後の5年間の死亡率が40%、生存率が約30%、その他30%は入退院を繰り返している状態です。慢性的な中枢神経障害、肝障害、癌、糖尿病、動脈硬化、心不全、消化管の障害を引き起こします。数字は嘘をつきません。己を守れるのは他ならぬ自分自身です。お酒を飲んでも呑まれてはなりません。アルコールと上手に付き合っていくには適量を守るのと飲み方のコツを知る事です。

 

Man drinking from a wine bottle, silhouette

 

 

体内に摂取されたアルコールは1、2時間足らずで胃20%、小腸80%で消化されることなく、瞬時に吸収されます。その後、門脈という太い静脈から肝臓を通して、全身の臓器に流れます。血中アルコール濃度は門脈では高いのですが、肝臓を通過すると低下します。臓器では単純拡散により組織へと広がっていきます。
アルコールの大部分は肝臓で酸化により分解されます。アルコール脱水素酵素(ADH)(補助としてミクロソームエタノール酸化系、カタラーゼ)により有毒なアセトアルデヒドに酸化します。その後、2型アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)(補助として1型アルデヒド脱水素酵素(ALDH1))により酢酸に酸化されます。酢酸は血液により筋肉や心臓に運ばれ、炭酸ガスと水に分解されます。約7kcal/アルコール1gの熱エネルギーを産出します。

 

 

この「分解」= 「酵素の働き」に必要なものが、水分と糖分です。ワインは80%以上が水分で出来ていますが、その水分はアルコール分解時には、既に消費されています。アルコールとは別に水分が必要なのです。しかも二日酔いになってからの水分摂取では全く意味がありません。酒器の横には常にチェイサーを用意し、飲んだお酒と同じかそれよりも多めの水分を摂る事をお勧めします。水分と一緒に適宜、甘味も摂りましょう。果糖でもOKです。摂取したアルコールに対しての必要水分量はこちらのサイトをご覧下さい。二日酔いの予防対策に是非ご活用下さい。

 

楽しくお酒を飲んでいる最中にデメリットは極力考えたくありませんが、如何なる局面にもリスクは付き物です。それを理解した上でマネジメントしつつ、上手に付き合っていくことが大切ですね。

 

 

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《参考文献》
樋口進(編)健康日本21推進のための「アルコール保健指導マニュアル」
厚生労働省 e-ヘルスネット(図を拝借)
 

 

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