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タンニンは植物の防御策

      2016/11/24

ワイン用語ではお馴染みのタンニン。普段ワインを飲まれない方には、何の事やらと思われるかもしれませんね。タンニン(tannin)は英語で革を鞣すという意味の "tan" に由来し、本来は革を作る際に用いた、鞣革性を具えた物質を意味する言葉でした。植物に含まれるポリフェノール化合物の一種であり、ワインにおいては渋味、苦味成分を指します。

白ワインでは酸味と甘味(アルコールのボリュームを含む)、赤ワインではプラス渋味(タンニン)が品質に関係しています。タンニンが豊富であればあるほど、熟成においてはポリフェノール効果は、人間のみならずワインの酸化も防ぎます。タンニンとアントシアニンの結合により安定化され(タンニンが重合したものが滓)、長期熟成も可能となります。タンニンの質こそが赤ワインのクオリティを決定する重要なものです。

渋味成分は白ワインより、赤ワインの方が多く含まれています。タンニンの素となる黒ぶどうの果皮や種を果汁に浸漬して、色素成分や香りをしっかりと抽出しているからです。ワインの成分を構成する90%程度が水分で、その次にアルコール分(エチルアルコール)が9~15%を占めます。その他の数%で糖、有機酸類(酒石酸、りんご酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、酢酸)、ミネラル(カリウム、ナトリウム)、ポリフェノール(アントシアニン、タンニン)で構成されています。タンニンの占める割合は低いのですが、その役割は重要です。

 

burgogne

 

タンニン、即ち渋味は、植物の防御作用です。草木は根を張って生きているので、天敵が来ても逃げる事ができません。昆虫や動物に食べられないよう、種を付けて次世代にDNAを残せるように、生き物が嫌う植物性アルカロイドと言う渋味成分を生成します。それにより、外敵から身を守り、生き残る術を身につけました。

余談ですが、幼少期に渋味や苦味のある食べ物が、苦手ではありませんでしたか。例えば、ピーマン、春菊、セロリ、ふき、ふきのとう、菜の花、ゼンマイ等です。ところが、大人に成長するにつれて、気付かない間に克服していた経験はないでしょうか。それは、子供の頃は食の経験値が浅く、自然界で渋味、苦味を感じるものは昆虫や動物の反応と同じく、それらを毒と見なしていたからです。何度も渋味を口にすることによって、経験を積みます。次第に安全なものであると脳が判断を下し、大人になる頃には逆に好きになっていたというケースはよくある事です。

脱線しましたが、タンニンは植物の防御策で、渋味が伴います。渋味はギスギスと刺すような不快なものから、ザラザラとした収れん性があるもの、固いもの、粗いもの、滑らかに溶け込んだもの、キメ細かいもの、サラサラとしたもの、ビロードのようなもの、シルキーのようなものと様々です。擬音語が並列されましたが、タンニンはワインのクオリティを決定付けるものなので、その質は大切なのです。

 

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