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マリアージュのポイントを教えて下さい

      2016/12/05

マリアージュ2

 

「マリアージュ」ワイン用語ではよく出てくる語句ですが、元々フランス語で「結婚」と言う意味です。食事とワインは切っても切り離せないものです。このマッチングによって、期待できる相乗効果の事で、相性が良ければ双方の美味しさや満足度は2倍にも3倍にもなるのです。

ワインや料理では、香りや味わいの余韻にがあるうちに、ワインや料理が口に運ばれます。2者が同時に口腔内で一緒になる事は、まずありません。食とワイン、それぞれの風味の余韻を感じながら、次に入ってくるものを味わい「合う!美味しい!!!」と判断している訳です。ここではマリアージュをさせる際に、重要な組み合わせの原則を学びましょう。

 

《マリアージュの4原則》

①類似点・共通点のあるもの

②異色なもの同士

③格を揃える

④郷土料理とその土地のワイン

 

 

①類似点・共通点のあるもの「香りと味わいの共通点を探せ!」

味の濃さやボリューム、香りや味わいの類似点、共通点を探して同じようなニュアンスのあるものを合わせます。柑橘香がするワインにはレモンやグレープフルーツを使ったもの、酸がフレッシュなワインにはお酢を利かせたもの、濃い味のワインにはパンチのあるもの、軽い料理には軽いもの、重い料理にはボリュームのあるものを選びます。

例:
フォアグラのテリーヌにアルザスのピノグリやゲベルツトラミネール
魚のグリエやフュメにはロワール地方のサンセールやプイイフュメ等のソーヴィニョンブラン
仔牛、牛、羊にはメルロー  ※柔らかく繊細な肉にはタンニンが柔和なもの
煮込み料理(ジャムのソース)にはフレッシュな赤ワイン
煮込み料理(デミグラスソース)にはコクのある赤ワイン
スパイシーな料理にシラーやグルナッシュ

 

 

②異色なもの同士「フォアグラに貴腐ワイン」

各々にインパクト、個性のあるものを合わせると、組み合わせによってはお互いが引き立ちます。

例:
フォアグラに甘口(ソーテヌルの貴腐)ワイン ※ボルドー地方の郊外に有名なフォアグラの産地がある
スパイシーな料理に甘口(貴腐)ワイン
ブルーチーズに甘口(貴腐)ワイン

 

 

③格を揃える 「キャビアにシャンパーニュ」

フランス作家であるキュルノンスキー(1872~1956)は、「美食のプリンス」と呼ばれる食通でもありました。彼は料理の格によって合わせるワインも3段階に考慮するべきだと呈しました。

・親しみやすい家庭料理 → シンプルなワイン、高級ワインは合わせる必要がない

例:
ほうれん草のオムレツにマコンの白

・各地方の特産物を使った個性豊かな伝統料理 → その土地のワイン

例:
シュークルートにアルザスのリースリングやシルヴァーナ
毛のジビエ(兎、鹿、猪)の煮込みはローヌや西南地方の濃厚なシラー、グルナッシュと言った野性的なワイン

・一流ホテルのプロの繊細な料理 → 格の高いワイン

例:
伊勢エビのアラメリケーヌ(甲殻類クリームソース)にはコルトンシャルルマーニュやムルソー
羽のジビエ(鴨、キジ、山鳩、雷鳥、ツグミ、ヤマシギ、ウズラ、雷鳥)はブルゴーニュの高級ピノノワール

格を揃えるとは、極端な話し、キャビアにシャンパーニュと言ったイメージです。例えば、仮にレストランで5000円のコースを頼んだとしたら、5000円の白ワイン(ボトル)からはじまり、5000円の赤ワイン(ボトル)へと移る、同格を意識した選択をすると言った事です。

 

 

④郷土料理とその土地のワイン「定番!生牡蠣にシャブリ」

古くからその土地で食されてきた伝統的な料理とその土地で造られたワインは相性が良いものが多くあります。

例:
ブルゴーニュのコック オ ヴァンにジュブレ シャンベルタン ※家禽(鶏、家鴨、七面鳥、ホロホロ鳥)は淡白で脂質が軽いのでタンニンがキメ細かいブルゴーニュの赤ワイン
生牡蠣にシャブリや酸とミネラル豊かな白ワイン(シュナンブラン、辛口リースリング、シャンパーニュ)
生牡蠣にボルドーの赤ワイン
ジュラのコック オ ヴァン ジョーヌにヴァン ジョーヌ
アニョー ド ポイヤック(仔羊)にポイヤックのカベルネソーヴィニョン ※脂質や臭いを断ち切り風味だけを残す
リエットや豚のロティはロワールの軽い赤
プロヴァンスのブイヤベースにカシスの白やプロヴァンスのロゼ
ノルマンディのガレットやオムレツにシードル

 

その他にも、同じ素材でもその時の状態や調理法、味付けによっても相性は多様な変化を見せます。

 

・素材(産地、鮮度、部位、季節による味わいの変化、切り方、調理法)

・味付け(ソース)

・ガルニチュール(付け合わせ)

 

一般的にはカレーの様なスパイシーなものやニンニクやハーブの香りが強すぎるものは単一の味覚刺激が強すぎるので相手を選びます。数の子、いくら等の魚卵系、卵料理、スープなどは合わせるのが難しいと言われます。香りが華やかであったり、強い樽香、果実味やアルコールがきついワインは料理と合わせるよりも単体で楽しんだ方が良い場合もあります。比較的、辛口スパークリングやロゼは合わせる食べ物を選ばない万能選手です。

 

マリアージュは知識やセンスの問われるところですが、どんな料理にどんなワインを合わせるのか判断できるようになるのが、ワインを楽しむ上で大いに役立ちます。ご家庭やレストランでも色々な料理と、色々なワインの組み合わせにチャレンジしてみて下さい。試行錯誤を重ねると思わぬ発見があるかも知れませんよ。

 

参考文献:JSAソムリエ教本2012

 

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