スティルワインの泡とは
2017/01/17
スティルワインは直訳すると、still wine 静かな泡のないワインという意味です。つまり、二酸化炭素による発泡性がないという事です。その逆は発泡性のある(3気圧以上)スパークリングワインを指します。スティルワインにも泡が見られることがあります。その原因は2つあります。
・瓶内で二次発酵が起きている場合
・二酸化炭素が残っている場合
・瓶内で二次発酵が起きている場合
残存する酵母の数が多い、程よくエサとなる残糖がある、貯蔵庫の気温が14℃以上と高い、SO₂の添加が微量あるいはゼロの場合、酵母が働きやすい環境が整います。休眠状態から目覚め活動をすることがあるのです。瓶内で酵母がぶどう糖を食べてアルコールと二酸化炭素を発生、つまり再発酵を引き起こしてしまうのです。外観からも発泡が確認でき、ワインは非常に不安定な状態です。人為的な狙いのあるシャンパーニュ(スパークリングワイン)以外では瓶内二次発酵は欠陥ワインと言えるでしょう。
・二酸化炭素が残っている場合
外観からは判断が難しく、口に含んだ時にピリピリとした気泡を感じるのは、二酸化炭素が残っているからです。自然派の造り手でよくみられます。醸造工程で発生した二酸化炭素がタンク内の液面に膜を張り、液中にも溶け込みます。殺菌、抗酸化作用がある為、ワインは微生物や酸化から守られます。バトナージュ(熟成中タンク底に沈殿した滓を棒で撹拌して旨味成分を抽出する醸造方法)を施さないケースでは、二酸化炭素は抜けきらず、ワインに残留するのです。それが、発泡しているかのようなシュワシュワ感になるのです。
スティルワインとは何ぞやから、スティルワインに見られる2種類の泡について言及しました。