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自然派が目指すところⅡ

      2016/11/29

MC

 

前回から不介入主義、ワインの香りを決定するのは酵母と来ました。
詳しくはこちらからどうぞ→ 自然派が目指すところⅠ 今回は全房、MCを見ていきましょう。

 

自然派の主要な醸造方法では、マセラシオンカルボニック(以下MC)、セミマセラシオンカルボニック(以下セミMC)が挙げられます。MCはボージョレで行われる特殊な醸造方法のイメージがありますが、自然派の間では主流です。

MCとは密閉タンク内に未破砕の黒ぶどうを房ごと投入し、二酸化炭素CO₂を充満させて数日間置く方法です。果汁ではなく果粒内で細胞内発酵を引き起こします。果汁が流出したらMCではないので、ぶどうが壊れていない状態で二酸化炭素を満たします。嫌気的な環境下で1.5~3%のアルコールが果皮から内側へと細胞内発酵が進みます。後、2段階目の発酵MLFでりんご酸が代謝されます。発酵時間が長くなると酵母はストレスでグリセリンを生成します。このグリセリンがスムーズで滑らかなワインとなるのです。MCを施したワインの特徴は、クリーミーで舌触りの良い飲み心地で、果実のアロマが際立ちます。

ただ、物理的に100%MCは有り得ません。ぶどうは二酸化炭素によって押しつぶされるので、仕切りをするまでしないと、完璧に全てが細胞内発酵ではありません。タンクの上部が細胞内発酵、ぶどうが破砕された下部では二酸化炭素が発生し、酵母発酵が行われます。MCよりセミMCの方がメジャーな醸造です。造り手により、タンクの蓋をずっと締めたままであったり、開閉を繰り返したり、開けてつど、ピジャージュを行ったりと様々です。

セミMCでは基本、発酵時のSO₂の添加は不要です。タンク内の液面には二酸化炭素CO₂が膜が張り、果汁にも溶け込んでいるので酸化防止の効果があります。入れたとしても10~15ppm程度です。自然派にとってSO₂の目的は抗酸化作用ではなく殺菌作用と明確です。抗酸化作用は発酵で生じる二酸化炭素がその役割を担ってくれるからです。

全房で施すと酵母にとって良い環境が生じます。彼らにとって快適な温度環境と動きが取れるスペースがあるので、発酵もスムーズに行われます。酵母を活かしたMC、セミMCのメリットは、

 

・SO₂無添加、或いは少なくて済む

・果実味が豊か

・発酵温度が上がらない

 

MCは深みがないとか、AOCであるのが理解できないとか反論もあります。MCは非常に手間がかかるので今やマイナーになっていますが、かつては醸造は全房で行われていました。ブルゴーニュも全体でもガメイが作られていました。7回に分けて少しずつ人工補糖がされている産地ですが、全房を目標としています。MCのイメージを覆さないと見えてこないものですが、今後更なる、スキルアップが叶えば、素晴らしいワインが生まれるに違いありません。

 

 

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