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SO₂の最大許容量

      2016/11/29

2013-10-24 10.21.21

 

酸化防止剤や殺菌剤として用いられる、亜硫酸(sulphur dioxide=以下S02) は二酸化硫黄、亜硫酸ガスの事です。健康志向からは暫し悪者呼ばわりされる事もあります。しかし、古代ローマ時代よりワイン生産の過程で硫黄を燃やして使用されてきたワイン造りに欠くことのできない物質です。ワインを造るに際し、副生成物として必ず10-30ppmのSO₂が発生します。

醸造過程は何度かSO₂を添加します。最初のタイミングはぶどうを破砕する時です。果実の良し悪しで添加量を決定します。一般的には1hl当たり3~5gで、状態が悪く腐敗が懸念される時は、添加量は2倍にまで増やされます。一般的に白ワイン、特に甘口ワインには多く添加されます。白ワインはタンニン量が赤ワインと比べると少なく、酸化を招く恐れがあるので、SO₂の使用量も増えます。

 

 

EUでの最大許容量は、

辛口赤ワイン 150ppm(残糖5g以上200ppm)
白、ロゼワイン 200ppm(残糖5g以上250ppm)
甘口白ワイン300ppm
極甘口ワイン 400ppm

※残糖分が5g/1L 以上と未満の場合は添加量が異なる

EU自然派ワインは組合により、40ppm~160ppm

アメリカでの最大許容量は、350ppm

 

 

全てリッター当たりの許可量です。日本での最大許容量は、EUよりも高く、350ppm=0.35㎎と規定されています。常にSO₂量を測定し、不足量を補いつつ酒質を保護し、S02の総量の範囲内で品質管理します。

実際の総SO₂量は50~100ppmと許可量よりも概ね少なく、最近では極力減らす方向です。酸化防止剤としてSO₂、あるいはアスコルビン酸を併用して、ビオディナミ等の自然派の生産者の中には、SO₂を低く抑えたり、全く使用しない無添加ワインを造っているところもあります。

筆者個人の見解では、輸出や長期保存を考慮してワインの品質を維持する為には、SO₂の使用は欠かせないものと感じています。

 

 

 

 

 

参考文献:「ワインに含まれる添加物」横山弘和

 

 

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