発酵中の酵母が生成する風味化合物
2016/12/03
ひと口にワインの香りと言っても、その数、数十種類ではなく、グラス一杯には約500種類もの様々な化合物が組み合わさっています。コーヒーの香りは更に多く、一杯のコーヒーカップで約550種と言われています。今日は発酵中に酵母が生成する、風味化合物を見て行きましょう。
・硫黄化合物・・・・硫化水素、二酸化硫黄、エタンチオール、メチオノール、メルカプタン、硫化ジメチル等です。酵母がたんぱく質を消費すると発生します。茹で卵の黄身、硫黄温泉、糞尿、下水溝、腐った玉ねぎ、キャベツ、漬物、濃口醤油、カリフラワー、海苔の様な匂いがします。
・酢酸エステル・・・・酢酸エチルは接着剤や除光液の様なツンツンとした香りです。ワインを柔らかくフルーティーなものにします。
・分岐エステル・・・・エチル‐2-酪酸メチル、エチル‐3-酪酸メチル等です。イチゴの香りのするエステルの一種で赤ワインのフルーティさを生み出します。
・高級アルコール・・・・2-メチルブタノール、3-メチルブタノール、2-フェニルエタノール等です。バラの様な香りがします。
参考文献:「新しいワインの化学」ジェイミーグット