毎日ワイン365

Smile with wine 365 days. ~貴方の笑顔が見たい

干しぶどうワイン

      2016/12/03

ヴァンドパイユ

 

ワインのバラエティは辛口、甘口、スパークリング、フレーバーワイン、酒精強化ワインと様々です。中でも甘口ワインは、女性や初心者を中心に根強い人気を誇ります。甘口ワインの残糖やアルコール度数などはまちまちですが、EUの基準では4g/L以上の残糖があるワインは、甘口に分類されます。さて、今回は干しぶどうワインについてです。干しぶどうワインは、読んで字のごとく干ぶどうが原料の極甘口ワインです。人為的に乾燥させた、糖度の高い、濃縮ぶどうが用いられ、陰干しは下記の状態で10~3月の数ヶ月間に渡り行われます。

 

・藁のむしろやスノコの上

・天井から吊るす

・木なりで放置(パスリヤージュ)

 

水分がある程度蒸発した状態で、果汁を絞ってワインを造ります。それでは、代表的な干しぶどうワインを見てみましょう。

 

イタリアの白ぶどうから造られるパッシート(=レチョート ヴェネト州での呼称)は甘口です。黒ぶどうが原料のアマローネ(=スフォルツアート ロンバルディアでの呼称)は糖分を残さないので辛口です。トスカーナ州のヴィン サントはアルコール度数が高く、甘口から辛口まで幅広くあります。

 

フランス ジュラ地方やコートデュローヌ地方のエルミタージュで造られる、ヴァン ド パイユ(藁ワイン)はパスリヤージュして仕込まれるので、収量は最初の半分に減ります。上記に掲載している干しぶどうの写真は、耳たぶぐらいの柔らかさです。1年半以上樽で熟成させ、圧搾した日から3年間は販売が禁止されています。伝統のあるポ(pots)と呼ばれる、375mlの容器に入れられます。

 

フランス 南西地方のジュランソンは、ピレネー山脈に近く、秋雨が少ないので木に付けたまま干しぶどうにする事が可能です。アンリ4世の洗礼式に使われた白ワインは35g/L以上の残糖があります。また、同地方のマディランと同一区のパシュラン ヂュ ヴィク ビル では、45g/L以上の残糖が必要です。

 

そして、最後に気になるテイストについて。干しぶどうワインは、煌びやかなゴールドカラーが特徴です。酸は低めで、アルコール度数は中程度から高く、樽を使っているものもあります。干し果実やコンポート、はちみつの香りがしますが、貴腐ワインのような複雑性はありません。

 

 

 

365wine SHOP

 - ワインの豆知識 , ,