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ロゼワインのカラーの由来

      2016/12/02

rose wine

 

前回はロゼワインのカラーバリエーションについて書きました。今回は多様なカラーを生み出す、その原因を探りたいと思います。まず最初に挙げられるのが品種の違いです。ロゼワインはご存知の通り、黒ぶどうから造られます。黒ぶどうの色素成分であるアントシアニンの含有量により、色素の濃いぶどうから造られればワインも色濃く仕上がります。渋味成分の元であるタンニンは黄色い色素を持っているので、タンニンが豊富なワインは黄みがかり、少ないと紫がかったワインになります。少なからずとも、使用するぶどう品種から影響を受けていますが、最大の原因は醸造方法にあります。それでは、それぞれの醸造方法を見ていきましょう。

 

・セニエ法・・・・セニエは直訳すると血抜きという意味です。直接圧搾法が白ワインのような醸造工程なら、セニエ法は赤ワインと同じです。破砕・除梗が行われたぶどうを数時間から2日ほど、醸し(果皮と果汁との接触)ます。軽く色付いた果汁をタンク下部から引き抜いて(血抜き)、その後は果汁を発酵させます。色濃くタンニンがしっかりと感じるタイプのロゼになります。ぶどうのタンニンが豊富だと色素が僅か1日程度で濃く抽出されます。アントシアニンの含有量は最大100㎎/Lです。ロゼ造りでは最もポピュラーな醸造方法です。

 

・直接圧搾法・・・・黒ぶどうを用いて破砕・除梗し、プレスします。若干、圧搾機の中でも醸され、圧搾時にも圧力がかかるので、果皮の含有色素が果汁へと移行されます。ぶどうジュースはうっすらと色付きます。その後、白ワインの醸造方法と同じように果汁を発酵させて造ります。フランスではヴァン グリ(vin gris)灰色ワインと呼ばれる淡い色のロゼワインがあります。このカテゴリーのワインは直接圧搾法を用いて造られています。アントシアニンの含有量も7~50㎎/Lと少なめで色調は淡いのが特徴です。(ボルドーの赤ワインの場合200~400㎎/L)

 

・ブレンド法・・・・賛否両論がありますが、出来上った白ワインに10~20%の赤ワインをブレンドして造る製法です。ワイン法に則って新世界では認められている醸造方法ですが、EUではシャンパーニュ地方のスパークリングワインのみに許されている方法です。なぜなら、シャンパーニュではノンヴィンテージが一般的なので、安定した品質が求められます。安定した色のロゼを造ることが非常に技術的に難しいので、ブレンド法が許されています。色の濃淡はコントロールでき、早飲みタイプである新世界のロゼワインとは異なり、長期熟成が施されるので、元々は別々のワインですが時間の経過とともに十分にこなれて来ます。

 

・混醸法・・・・またの名を、ロートリングと言います。黒ぶどうと白ぶどうを混るというドイツの製法です。醸造方法はセニエ法と全く同じです。ワイン法により、使用可能なぶどう品種や比率が定められています。

 

 

ロゼワインのカラーが黄色がかっていたらタンニンが豊か。紫がかっていたらタンニンは少なめ。カラーが薄ければ、直接圧搾法。濃ければセニエ法。シャンパーニュであればブレンド法。新世界の安価なワインであればブレンド法。ドイツなら混醸法などに分類ができますね。次回、ロゼワインを頂く際、カラーに注目されてみてはいかがでしょうか。

 

 

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