灌漑農業
2016/12/02
ギリシャのクレタ島でのぶどう収穫の様子です。北半球は収穫の真っ只中ですね。さて今日は灌漑についてです。「灌漑(かんがい)」恥ずかしながら読めるけど書けない漢字です。
ヨーロッパでは、畑に水を与える灌漑農業は、長らく禁止されていました。テロワールを尊重している人達は、人為的な介入を嫌います。今日でさえもスペインや一部の南仏を除いては、基本的にはEUでの灌漑は禁止されています。
その一方で、ぶどうの生育期間中の降雨量が乏しい、アメリカ、オーストラリア、チリ、アルゼンチンでは灌漑農法が広く取り入れられています。ぶどう木に与える水量をコントロールできるので果実の品質改善の期待が持て、自ずと収穫量も増します。ただし、収量が増えすぎると質の低下も招くので注意が必要です。下記は主な灌漑方法です。
・スプリンクラー灌漑・・・スプリンクラーで散水、定置式、移動式がある。
・点滴灌漑 drip irrigation・・・畑の畝に沿って水が流れるチューブを張り渡し、ぶどう木の根元に少量の水をドリップする方法。設備費や維持費が高いが厳密なコントロールできるので効果は絶大。
・湛水灌漑・・・田んぼのように畑を水浸しにする。
また、制限灌漑や部分灌漑も実施されています。
・制限灌漑・・・必要な時期に水を供給。ぶどうの成熟期に養分を梢・葉ではなく果実に与える為に、水の供給は断たれる。(ウオーターストレス)
・部分灌漑・・・ぶどうの両サイドに水供給を設置するが、片方のどちらかだけに供水する。ウオーターストレスを与えられた根は果実に養分がまわされる。
以上、灌漑農業についてでした。