スロヴェニア旅行記Ⅵ
2016/11/25
スロヴェニア買い付け旅行記の第6話です。vipava村のワインメーカーを訪問しました。生後1ヶ月の赤ちゃんと5歳女児ユリアとエトセトラを連れてワイナリーまでお散歩です。
お天気に恵まれ青空が広がります。西側斜面にはぶどう畑が点在します。取り残したぶどうも見られました。木にの下部の方になっているので、酸味が強いぶどうです。上部は甘く、下部は酸っぱいのが特徴です。案の定、ワイン用のぶどうとは思えないほど、糖度が低く、その反対に酸が強く感じられました。
ユリアはぶどうには見向きもせず、ひたすらにタンポポを摘んでいました。女の子ですね。
村には年中、時速150㎞の強風 ”Bora” が吹き付けます。その為、ぶどう木を守るよう防風林が植えられています。
黒ぶどうは赤く紅葉し、白ぶどうは黄色く紅葉します。果実と同じように、アントシアニンの生成スイッチが、命令をつかさどるDNAにより、オン、あるいはオフになっているのが原因でしょうか。見頃は11月に入ってからだそうです。
こちらは、白ぶどうの木ですね。品種はラスキーリースリングです。オーストリアやドイツと同様に冷涼な地域なので、赤ワインよりも白ワインの方が得意です。実際、白ワインの生産が70%以上を占めます。
ビジネストークをしながら、小一時間ほどでJamsekワイナリーに到着しました。
プラスチックボトルを持参して、ワイナリーにワインを買いに来た方々と遭遇しました。ユリアは弟君を気にかけます。小さいけどお姉さんですね。
テイスティングルームです。壁には数々の国際コンクールで受賞した、ゴールドメダル、シルバーメダル、ブロンズメダルが飾られていました。
手入れの行き届いたカーヴです。生産者にも様々な性格の方がおられるので、なかには乱雑な所もあります。
Jamsekが創業1887年より代々受け継がれている大樽です。現役だと言うから驚きです。
お隣の樽が比較的新しく感じました。とは言っても、1952年です。
ひたすら試飲をしました。2016年は大変な年だったそうです。昨年の良年豊作とは打って変わって、多雨で病気が大流行したそうです。病気は初期対応が要らしく、ヴィニョロン達は毎時(毎日ではなく毎時です)のごとく畑に様子を見に行きました。結実不良もあり収量は激減しました。Jamsekは50%減の被害を受けました。ひどいところは80%を失い、クロアチアやセルビアなどの隣国からぶどうを買ってワインを造るという年でした。収量は少ないのですが、ぶどうの出来は良いそうです。
土着品種のレブラです。発酵が終わったばかりです。マロラクティック発酵は施しません。ひと月かけて清澄させます。
当主マルコは私と同じ歳です。
ユリアとそのママであるエリカです。親子はそっくりですね。
自家製プロシュートとチーズをつまみながら、この後も20種類ぐらいを利きました。いかん、夕食の前にお腹が脹れてしまうではありませんか。
ラスキーリースリングを使った2000年のブランデーです。非売品でいくら頼んでも売ってはくれません。クリーミーなコクがあり、まろやかで芳醇なお酒です。ロックや水割りではなくストレートで楽しみたい上質なものです。長い余韻も魅力的です、いつかは輸入したい絶品の代物です。
いつしかのクリスマスに送ったカードがカーヴには飾られていました。ワイングラス一杯のハートは私の気持ちです。捨てずに取って置いてくれたとは、嬉しい限りです。
様々なタイプのワインを試飲し、生産過程とワインに対する生産者の想いを受け止めました。復路は車でお家に帰りました。少し冷えてきたので、暖炉(ガラスの蓋があるのでオーブンのよう)に薪をくべ、点火です。人間は燃える炎が好きですね。温められた空気はパイプ管を通って各部屋に行きます。
さて、シャワーを浴びてこれからディナーです。村に3軒あるレストランのうちの1軒にレッツゴーです。ユリアが乗ってるこちらのブランコ、私が乗っても大丈夫でした。私だけでなくマルコもプレイ可能でした。次回に続きます。