日本ワインコンクール
2016/12/10
日本にはEUのようにワイン法というものが存在しません。よってアルゼンチンなどの海外から輸入した濃縮還元ジュースを水で希釈して砂糖を添加して造られる安価なワインも横行しています。一方では、公的研究機関や山梨大学の優良品種の開発や栽培醸造の発展に併せて、品質に力を注ぐ措置も取られています。2003年から山梨県で開催され続けている、日本ワインコンクールや今年発足した、関西ワイナリー協会による日本ワインもそのひとつです。今日は日本ワインコンクール(JAPAN WINE COMPETITION)についてお話ししましょう。
日本ワインコンクールは、国内で栽培され収穫されたぶどうのみを原料とするワインに限定したコンクールです。よって輸入果汁は対象外です。スティルワイン及びスパークリングワインが対象ですが、香料や色素を添加したものを除きます。コンクールの目的は日本ワインの品質と認知度の向上を図ると共に、各産地のイメージと日本ワインの個性や地位を高める事です。毎年7月に国内外の25名程度の審査員(国税庁、酒類総合研究所の専門家、ワイン産地組合の代表、有識者)によって行われます。 審査は一次審査と本審査があり、いずれも、外観、香り、味わいなどの官能審査よって実施されます。20点満点で12点以上が一次を通過します。出品に際し下記の様な条件も設定されています。
・市販酒であり、蔵内酒の場合は、決められた日までに市場に流通すること。商品名が確定していること。
・ボトルの容量は、720ml又は750mlであること。極甘口ワインは200ml以上で2Lを超えないこと。
・同一ロットのワインでで1000本以上が出品時に瓶詰めされていること。
・欧州系品種、国内改良等品種、北米系等品種は、原料品種の使用割合のトータルが75%以上、 甲州は100%であること。
・欧州と国内改良品種のブレンドは、2種以上の原料品種を使用し、うち同一部門の原料品種の使用割合のトータルが75%未満(甲州は100%未満)であること。
・極甘口、ロゼワイン、スパークリングワインは原料品種を問わない。
金賞、銀賞、部門最高賞を受賞した場合は、ボトルにメダル受賞のシールの添付も可能となり、カタログ、HP、ポップなどで日本ワインコンクール金賞受賞ワインとPRも許されます。多種多様なワインが並ぶ中、どれを選択してよいか戸惑う消費者にとっては、良い指標かも知れませんね。