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EPA大枠合意でワインの関税撤廃

   

 

 

 

7月も終わり、夏盛の8月に入りましたね。お祭りや花火大会もある夏、毎年2回は浴衣に袖を通したいところです。自身が主催していない完全プライベートなイベントやお誘いを待ち侘びています。シャンパーニュ片手に浴衣で過ごす夜長。実に良い響きですね。さて、今日は真面目にワインの関税のお話です。先月の閣僚会合では、ボトルワインの関税撤廃の大枠合意で最終局面を迎えました。記憶に新しいところでは「EPA」が出てきましたよね。

 

EPAとは、Economic Partnership Agreementの頭文字を取った経済連携協定の事です。2国(地域)間の自由貿易協定(物とサービス貿易の自由化)に加え、貿易以外の分野、例えば人の移動や投資、政府調達、2国間協力などを含めて締結される包括的な協定を言います。(財務省のHPから抜粋)

 

それぞれの国のチーズやらお米やら自動車やら、農産業を保護するための譲れない交渉でしょうが、時として関税は貿易の壁と化します。現在、日本のワイン関税は、輸入CIF価格の15%、または125/Lのどちらか低い方をかけています。つまりボトル1本(750ml)あたりの関税は、67円~93.75円となります。最大で93.75円も安くなる計算です。1,000円以下の安価なワインの場合、93.75円は大きな割合です。関税が撤廃されれば、その効果は絶大です。一方、高価格帯のワインに関してはさほど影響はなさそうです。安価なワインはより安くなり、価格面で激しいレースが繰り広げられる事が予想されます。

 

輸入量の70%が1,000円以下のワインであるチリ、高級&ブランドワインも数多く輩出し、中価格帯が60%以上を占めるフランスでは走っているレーンが異なります。ワインはますます2極化の傾向です。なお、365wineで扱う中価格帯のスロヴェニアワインはレースとは一線を画す姿勢です。保税地域からワインを引き取る前の納税金のうち、関税分の数十~数百万円の支払いがなくなるのは望むところですが、1本あたりのワインの価格には響きません。マイナー産地ですが、はなから価格競争レースには出場しない構えです。

 

既にチリとオーストラリアでは、日本と2国間協定を締結しており、TPPとは関係なく関税の緩和が行われています。2007年に発効した日本とチリのEPAにより現在チリワインの関税は輸入CIF価格の2.3%ですが、段階的に徐々に引き下げ、20194月には完全に撤廃されますまた、オーストラリアでも2015発効のEPAにより、現行は優遇措置ですが、ボトリングされたワイン(スティル、スパークリング含)、とバルクワイン(ボトリングされていないワイン)に対する関税が7年かけて、最終的には2021年に撤廃されます

 

 

 

 

各国の日本におけるワインマーケットのシェアは、EUでおよそ半分の50%、アメリカ8%、オーストラリア4%、アルゼンチン3%、南ア2%、驚くのがチリの30%です。2015年、2016年と連続でフランスやイタリアなどのEUを退いて、チリが国別ワイン輸入量で1位に転じました。現在は横ばいですが、発効直後は年1030%幅で輸入量を伸ばし続けてきました。紛れもなくEPAの恩恵でしょう。オーストラリアのシェアは4%に過ぎませんが、伸び代は大いにあります。EPATPPに無関係ですが、シェアが合わせて5%もあるアルゼンチンと南アのゆく末も気になります。

 

 

 

 

EUの低価格帯のワインは、安旨ワインブームをけん引してきたチリワインに苦戦中ですが、日欧EPAは現状を打開する強力な武器となる事は間違いありません。気になる発効年ですが、インポーターとしてはEUと同様に即時撤廃を切望します。8年目に関税をゼロにするTPPを念頭に置き、数年かけて段階的に引き下げる方向となりました。いっそのことEUの要求の通り、チリワインに合わせて2019年に全てのボトルワインの関税が撤廃されたら良いのにとさえ思います。

 

ワイナリーもインポーターもEPAに大きな期待をかけています。チリがいち早くEPAを結び、各国のワインを引き離してトップを走っていた時代は、まもなく過去の話となるかもしれません。10年で輸入量が3倍に成長した安旨スペインワインの足音も聞こえてきます。そして自由貿易が加速した今後、日本ワインはどうなっていくのでしょうか。全ての価格帯のワイン消費が増加する事により、国内市場が拡大し、自ずと日本ワインも注目されるのではないかとの望みもあります。あるいは国のバックアップのもと国外へ目を向けて、EUや中国への輸出が要のように感じます。長くなりましたが今日は、日欧EPAのワイン関税撤廃のお話でした。

 

 

 

 

ここからはスロヴェニアワインのご紹介です。クラルニツァは全世界で作付け面積が3haしかない極めて希少な品種です。濃いゴールドカラーからはアカシア、アプリコット、黄桃、黄りんご、オレンジピールなどのフルーツバスケット。ドライな中にもはちみつと檜と干草の香りが複雑に漂います。暖かさと熟したタンニン、揮発酸が程よく全体を引き締めます。アフターにはリッチな厚みが長く続きます。まさに旨味の宝庫。もつ煮込、土手煮、サバの味噌煮とどうぞ。

《クラルニツァ2013》
品種:クラルニツァ
産地:スロヴェニア
タイプ:辛口白ワイン(オレンジワイン)
価格:5,500円

 

 

麦色のワインからは、白桃、黄桃、プラム、カリン、洋梨、はちみつ香の華やかな香りが感じられます。果実の甘味が溶け合い、ボディは厚みがありフルーティです。豊かなミネラル感、若くグラッシーな風味、アフターの微かな苦味が心地好い余韻として残ります。春巻き、酢豚、回鍋肉などの中華料理。ナンプラーやパクチーを使ったベトナム料理やタイ料理がおすすめです。山椒もよく合います。

《マルバジア2015》
品種:マルバジア
産地:スロヴェニア
タイプ:辛口白ワイン
価格:2,800円

 

濃いサーモンピンクカラー、繊細な小花、カリンの香りが漂います。滑らかな酸、フルーティーで厚みがあります。心地好い苦みと旨味をアフターに残します。白身魚のムニエル、味噌漬け、西京焼きなどと如何でしょうか。

《シビピノ2012》
品種:ピノグリ
産地:スロヴェニア
タイプ:辛口白(オレンジワイン)
価格:3,600円

 

 

ゴールドカラーからは華やかな木なりの果実とはちみつが香ります。柔らかな酸と程よい酢酸エチル、溶け合った甘味がバランス良くまとまっています。4種類の果実がもたらす複雑味のあるワインです。シーフード、チキンのオリーブオイルソテー、オリーブ、ドライオレガノ、ジビエのグリル、ブルーチーズ&ハニーなどとどうぞ。

《ルイーザ2011》
品種:レブラ、シャルドネ、ソーヴィニョネーズ、ソーヴィニョンブラン
産地:スロヴェニア
タイプ:辛口白(オレンジワイン)
価格:4,500円

 

 

ハーブや柑橘類の香り、白ワインでは珍しいホワイトペッパーのスパイシー香に驚かされます。ひらくと華やかなアカシアの香りが広がります。豊富なミネラルと透明感のある酸が、すっきりとまとまりを見せた上質な白ワインです。ホワイトペッパーをきかせた肉魚料理(スパイシーな唐揚げ、ポークやシーフードのソテー)、豚肉の生姜焼き、柚子胡椒、刺身、寿司などとよく合います。

《ゼレン2015》
品種:ゼレン
産地:スロヴェニア
タイプ:辛口白ワイン
価格:2,980円

 

 

 

只今、期間限定でお得なスロヴェニアワインのお試しセットもご用意しています。20セットのご用意です。この機会に是非ご利用下さい。

 

スロヴェニア赤3本セット(カベルネソーヴィニョン、メルロー、バルベーラ)

13,100円→10,900円

 

 

 

 

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