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かもせー【醸す】

   

皆様こんにちは。ワインインポーター365wineの大野です。自社ワインの1/3はオレンジワインを扱っているので、どんなものなのかその説明をする機会が多く、その時に必ず出てくるのが「醸し」です。醸すという単語を結構な割合で理解していない方がおられるので、今日は醸しについてです。そもそも辞書には「醸す」が、どのように表記されているのか、まずは調べてみました。大辞林 第三版を引用しました。

 

【醸す】かも・す

① 麴に水を加えて酒や醬油などを造る。醸造する。 「酒を-・す」
②その場にある雰囲気や状態を出現させる。 「物議を-・す」
③ ある物事、事態を作り出してゆく。もたらす。 「窓の下には足長蜂が巣を-・して」

 

「醸す」の語源は、世界最古の醸造酒である口噛み酒の「噛む」、または「かびす」から由来したという諸説あります。また、醸を分解すると、酉(ゆう、樽や酒つぼの意)と襄(じょう、容器に物を詰める意)、つまり容器に原料を仕込んで、日本酒、ワイン、味噌、醤油、みりん、酢などを醸す事を意味します。これら発酵食品の生成に必ず必要なのが、麹菌や酵母菌などの菌類です。

 

 

菌と言えば、ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、石川雅之のまんが「もやしもん」です。肉眼で菌やウイルスが見える青年、沢木くんの農大生活を描いています。もやしもんでは「かもすぞ!」「かもせー」と言ってる菌が頻繁に登場します。

まんがの中での「かもすぞ!」は、「活動(発酵)するぞ!」「増える(繁殖)ぞ!」「腐らせる(腐敗)ぞ!」などの意味で使われています。無数に登場する菌があまりに可愛いので、ワインに関係する菌も含めてここで紹介します。

 


A・オリゼー
黄麹菌です。デンプンの糖化に優れており、酒、味噌、醤油などの日本の発酵文化を支えています。

 

 

S・セレビシエ
酵母(出芽酵母)です。糖を分解してアルコールと二酸化炭素を発生させます。
日本酒、ワイン、ビール、ウイスキーなどを造る時に活躍します。

 

 

A・アルテルナータ
すずかび。プラスチックが好物でどこにでも顔を出します。
コンタクトレンズの洗浄を怠ると彼らの住み家になります。

 

 

P・クリソゲヌム
青かび。仲間が約200種類も存在します。
ペニシリンやブルーチーズもこのかびの産物ですが、生えると厄介なかびです。

 

 

 

 

o-157やインフルエンザウイルスなども出てきます。彼らの「かもす」とは時に人間を死に至らしめるので「かもしころすぞー」の意味です。話が脱線しましたが、酒造りの場合、醸すは①の意味です。英語では醸造であるブリュー(Brew)をさらに突き詰めて、マセレーション(Maseration)、フランス語ではマセラシオン(Macération) と言います。アルコール発酵中やその前後に、マスト(ぶどう果汁)あるいは、発酵が進みワインと変化した液体に果皮や種を浸漬させて、色素であるアントシアニンや渋味成分のタンニンを抽出する事です。すなわち「醸す=液体に果皮を漬け込んで発酵させる」とご理解下さい。それにしても私達の豊かな醸造文化は、醸しとそれを手伝う菌のおかげですね!

 

 

 

 

 

 

引用文献:大辞林 第三版、もやしもんの画像

 

 

さてここからは、私がお勧めしたいスロヴェニアのオレンジワインのご紹介です。ウェブショップの一般小売以外に飲食店や酒販店などの業務店向けにも対応しています。お気軽にお問い合わせ下さい。info@365wine.co.jp 担当:大野

 

 

 

クラルニツァは全世界で作付け面積が3haしかない極めて希少な品種です。濃いゴールドカラーからはアカシア、アプリコット、黄桃、黄りんご、オレンジピールなどのフルーツバスケット。ドライな中にもはちみつと檜と干草の香りが複雑に漂います。暖かさと熟したタンニン、揮発酸が程よく全体を引き締めます。アフターにはリッチな厚みが長く続きます。まさに旨味の宝庫。もつ煮込、土手煮、サバの味噌煮とどうぞ。

《クラルニツァ2013》
品種:クラルニツァ
産地:スロヴェニア
タイプ:辛口白ワイン(オレンジワイン)
価格:5,500円

 

 

麦色のワインからは、白桃、黄桃、プラム、カリン、洋梨、はちみつ香の華やかな香りが感じられます。果実の甘味が溶け合い、ボディは厚みがありフルーティです。豊かなミネラル感、若くグラッシーな風味、アフターの微かな苦味が心地好い余韻として残ります。春巻き、酢豚、回鍋肉などの中華料理。ナンプラーやパクチーを使ったベトナム料理やタイ料理がおすすめです。山椒もよく合います。

《マルバジア2015》
品種:マルバジア
産地:スロヴェニア
タイプ:辛口白ワイン
価格:2,800円

 

濃いサーモンピンクカラー、繊細な小花、カリンの香りが漂います。滑らかな酸、フルーティーで厚みがあります。心地好い苦みと旨味をアフターに残します。白身魚のムニエル、味噌漬け、西京焼きなどと如何でしょうか。

《シビピノ2012》
品種:ピノグリ
産地:スロヴェニア
タイプ:辛口白(オレンジワイン)
価格:3,600円

 

 

ゴールドカラーからは華やかな木なりの果実とはちみつが香ります。柔らかな酸と程よい酢酸エチル、溶け合った甘味がバランス良くまとまっています。4種類の果実がもたらす複雑味のあるワインです。シーフード、チキンのオリーブオイルソテー、オリーブ、ドライオレガノ、ジビエのグリル、ブルーチーズ&ハニーなどとどうぞ。

《ルイーザ2011》
品種:レブラ、シャルドネ、ソーヴィニョネーズ、ソーヴィニョンブラン
産地:スロヴェニア
タイプ:辛口白(オレンジワイン)
価格:4,500円

 

 

ハーブや柑橘類の香り、白ワインでは珍しいホワイトペッパーのスパイシー香に驚かされます。ひらくと華やかなアカシアの香りが広がります。豊富なミネラルと透明感のある酸が、すっきりとまとまりを見せた上質な白ワインです。ホワイトペッパーをきかせた肉魚料理(スパイシーな唐揚げ、ポークやシーフードのソテー)、豚肉の生姜焼き、柚子胡椒、刺身、寿司などとよく合います。

《ゼレン2015》
品種:ゼレン
産地:スロヴェニア
タイプ:辛口白ワイン
価格:2,980円

 

 

 

 

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