ワインの適温は何度ですか
2016/11/23
一般のお客様だけでなく、飲食店の皆様からも非常に多く寄せられる質問です。美味しく楽しみたい、人間の根本的なところですね。
ワインには美味しく感じる適温があります。ワインに限った事ではありませんが、お料理や飲み物には適切な温度があります。熱い物は熱い内に、冷たい物は冷たい内にと言われるよう、カレーライスは熱い内に、コーラやサイダーは冷たい内に頂くのが最も美味しく感じられます。それは温度により味わいが左右されるからです。
一般的には白ワインは冷やし、赤ワインは常温(ヨーロッパの常温は18℃前後)とされますが、一概にそうとは言い切れません。 簡単にポイントを説明すると、
・軽い赤、白ワインは低めの温度
・重い赤、白ワインは高めの温度
・酸味の強い白ワインは冷やす
・夏場は赤ワインでも酸の強いピノノワール等は味がボヤけるので軽く冷やす
・リーズナブルなワインは低めの温度、高級なワインは高めの温度
・スパークリングワインや甘口ワインは更に冷やす(しかし、冷やしすぎると味が感じられなくなるのでせいぜい5℃ぐらいまで。冷やすと泡も抜けにくくなります)※コクのあるシャンパーニュはこの限りではない
更に詳しく見ていくと、
・スパークリングワイン、甘口ワイン 7℃
・軽めの辛口白ワイン 8℃
・シャンパーニュ 7℃~12℃
・重めの上級白ワイン 12℃
・軽めの気軽な赤ワイン 12℃
・黄ワイン 14℃
・ブルゴーニュの赤ワイン 16℃~20℃
・ボルドーの赤ワイン 19℃~20℃
フレッシュさが魅力で酸味を楽しみたいものは低めの温度がいいでしょう。人間の味覚は冷たいと苦味、渋味、酸味はより強くシャープに感じられます。苦味と渋味は温度による変化はさほど感じられませんが温度が低くなると甘味が抑えられる為、苦味と渋味が突出します。酸味は低いとフレッシュな清涼感を与え、反対に温度が高いと柔らかい印象です。冷たい酢の物と温かい酢豚をイメージして頂けたらわかりやすいかと思います。酸は温度が高すぎると不快に感じる場合があります。
甘味は温度が高いと強く感じる傾向があります。なまぬるい炭酸飲料は甘ったるいですよね。適度に冷やすことでドライな引き締まった印象となります。
香りを強めたいフルボディはやや高めの温度がお勧めです。より風味の複雑さや熟成感が高まり、芳醇さが際立ちます。全体的にふくよかで優しい印象です。
味わいは白ワインだと酸味、甘味(アルコールによるボリューム)、赤ワインだと渋味(タンニン)が加わり構成されています。このバランスがとても重要でその味わいに影響を及ぼすのが温度です。温度変化を体感するのも面白いですね。適温を知り最高の状態でワインを楽しみたいものですね。