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ワインの飲み頃はいつか

      2017/06/22

 

皆様はエイジングポテンシャルという言葉を耳にした事はありますか。美容の世界では加齢は抵抗するものとして、アンチエイジングと言われていますが、ワインの世界では経年、いわゆる熟成は好ましい事とされています。つまり、エイジングポテンシャルを直訳すると、「熟成の潜在的な力」という事になります。

 

安いワインでも高いワインでも、全てのワインには「飲み頃」が存在します。飲み頃とは、ワインが瓶内で還元的熟成(嫌気的熟成)により、科学変化を起こし、単独あるいは様々な物質が、相互的に重合を繰り返したのち、香り(ブーケ)や味わいが複雑に変化します。複雑味が頂点に来る飲み頃は、人間にとって1番美味しいと感じるタイミングでもあります。誕生以来ワインは、熟成を経て時間の経過と共に飲み頃に到達します。そして飲み頃がピークとすると、その後は緩やかに枯れていきます。この2つの期間(熟成のピークまでとピーク以降の期間)が長ければ長いほど、エイジングポテンシャルが高いと言えます。下の表で言うとワインBは、ワインAよりも熟成の潜在的な能力が高いという事です。

 

  2017年      2020年     2022年             2030年
・ワインA誕生 → → 飲み頃 → → 枯れる
・ワインB誕生 → → → → → → 飲み頃 → → → → → → 枯れる

 

Young(飲み頃でない)

Early(飲み頃には早い)      Mature(飲み頃)      Late(飲み頃には遅い)

Past(飲み頃を過ぎた)

 

 

インポーターのお仕事をしていてよく聞かれるのが、「このワインの飲み頃はいつか」あるいは「このワインはいつまで持つ(美味しく楽しめる)か」という事です。消費者にとって、ワインは他の飲食品とは異なり、消費期限の記載はありません。ましてや飲み頃がいつかなど、ボトルに載せてはいませんから(メーカーとしては載せると大きなリスクがあります)一体いつ飲めばいいのか分かったものではありません。

 

国別の良年不作年のヴィンテージチャートがあったりしますが、生産者による個体差や垣根ひとつのテロワール差もあるので一概には当てはまりません。大野も大体の予想は付くのですが、時に一向に飲み頃が訪れなかったり、その逆に枯れるのが思ったよりも早かったりする事に出くわします。それもその筈です。ワインは1本1本、今ここに存在するまでに歩んできた道のり(ストーリー)が違うのですから、どんな親(持ち主)によってどんな環境下(地下蔵、セラー、冷蔵庫、常温、ずっと蔵元、転々と所在を変える)でどのように(温度、湿度、光、振動、コルクの状態)育ってきたかにもよって、同じワインでも甚だ状態が異なります。

 

 

飲み頃を尋ねたらワインメーカーの生産者ですら、"Who knows" 知るもんか。と答えるぐらいですから、彼らだって実際はわからないんです。自然派ワインの場合はなおさら「年末に家族と飲んだらまだ美味しかったよ」としか言えないぐらい未知の世界です。ブルゴーニュのディディエ モンショヴェ Didier Monchovet の当主(ファッション雑誌LEONに登場しそうな口髭を蓄えたダンディ)にお会いした際、彼も言っておられましたが、「ブルゴーニュワインは5~10年しても全然美味しさは失われないよ。ただ10~20年経つとどうだかね。枯れた感じが好きな人もいるけど、僕は果実味が失われないうちに飲む事をお勧めするよ」私も全くの同感です。長く熟成させれば良いという訳ではなく、飲み頃は果実味が健在かが重要だと思います。

 

今回のトピックである「飲み頃はいつか」予想はできますが、ケースバイケースなので断定はできません。こんなところがワインの奥深さ、醍醐味であったりするのも事実です。飲み頃が少々早くても、逆に過ぎてしまっていてもサービングスキルで多少はカバーできます。この時点で1664字です。長くなってしまうのでこのお話はまた別の機会にしましょう。

 

 

 

 

 

 
 

 

さてここからは、私がお勧めしたいスロヴェニアのオレンジワインのご紹介です。ウェブショップの一般小売以外に飲食店や酒販店などの業務店向けにも対応しています。お気軽にお問い合わせ下さい。info@365wine.co.jp 担当:大野

 

 

 

クラルニツァは全世界で作付け面積が3haしかない極めて希少な品種です。濃いゴールドカラーからはアカシア、アプリコット、黄桃、黄りんご、オレンジピールなどのフルーツバスケット。ドライな中にもはちみつと檜と干草の香りが複雑に漂います。暖かさと熟したタンニン、揮発酸が程よく全体を引き締めます。アフターにはリッチな厚みが長く続きます。まさに旨味の宝庫。もつ煮込、土手煮、サバの味噌煮とどうぞ。

《クラルニツァ2013》
品種:クラルニツァ
産地:スロヴェニア
タイプ:辛口白ワイン(オレンジワイン)
価格:5,500円

 

 

麦色のワインからは、白桃、黄桃、プラム、カリン、洋梨、はちみつ香の華やかな香りが感じられます。果実の甘味が溶け合い、ボディは厚みがありフルーティです。豊かなミネラル感、若くグラッシーな風味、アフターの微かな苦味が心地好い余韻として残ります。春巻き、酢豚、回鍋肉などの中華料理。ナンプラーやパクチーを使ったベトナム料理やタイ料理がおすすめです。山椒もよく合います。

《マルバジア2015》
品種:マルバジア
産地:スロヴェニア
タイプ:辛口白ワイン
価格:2,800円

 

濃いサーモンピンクカラー、繊細な小花、カリンの香りが漂います。滑らかな酸、フルーティーで厚みがあります。心地好い苦みと旨味をアフターに残します。白身魚のムニエル、味噌漬け、西京焼きなどと如何でしょうか。

《シビピノ2012》
品種:ピノグリ
産地:スロヴェニア
タイプ:辛口白(オレンジワイン)
価格:3,600円

 

 

ゴールドカラーからは華やかな木なりの果実とはちみつが香ります。柔らかな酸と程よい酢酸エチル、溶け合った甘味がバランス良くまとまっています。4種類の果実がもたらす複雑味のあるワインです。シーフード、チキンのオリーブオイルソテー、オリーブ、ドライオレガノ、ジビエのグリル、ブルーチーズ&ハニーなどとどうぞ。

《ルイーザ2011》
品種:レブラ、シャルドネ、ソーヴィニョネーズ、ソーヴィニョンブラン
産地:スロヴェニア
タイプ:辛口白(オレンジワイン)
価格:4,500円

 

 

ハーブや柑橘類の香り、白ワインでは珍しいホワイトペッパーのスパイシー香に驚かされます。ひらくと華やかなアカシアの香りが広がります。豊富なミネラルと透明感のある酸が、すっきりとまとまりを見せた上質な白ワインです。ホワイトペッパーをきかせた肉魚料理(スパイシーな唐揚げ、ポークやシーフードのソテー)、豚肉の生姜焼き、柚子胡椒、刺身、寿司などとよく合います。

《ゼレン2015》
品種:ゼレン
産地:スロヴェニア
タイプ:辛口白ワイン
価格:2,980円

 

 

 

只今、期間限定でお得なスロヴェニアワインのお試しセットもご用意しています。20セットのご用意です。この機会に是非ご利用下さい。

 

スロヴェニア赤3本セット(カベルネソーヴィニョン、メルロー、バルベーラ)

13,100円→10,900円

 

 

 

 

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