シュル リー(sur lie)
2016/11/23
白ワインに使用される醸造技術にシュル リー(sur lie)と言うものがあります。フランス語で直訳するとsurは英語のon、～の上に、lieは滓(おり)と言う意味です。滓とは発酵後の酵母の死骸や色素成分が重合して沈殿したもので人体には無害です。
滓の上、つまりアルコール発酵後に、滓引きをせずに、タンクや樽内で半年ほどワインと滓を接触させる方法です。還元反応が強くなるとバトナージュ(※1)を施しますが、通常は空気との接触もしません。樽由来の風味をワインに移し、複雑味と繊細さを加味するのが目的です。白ワインでは50％、赤ワインでは100％シュル リーが行われます。ロワールのミュスカデやブルゴーニュのムルソーにされます。
※1 バトナージュはシュル リーの応用で行われる醸造工程で、ワインと滓を棒でかき混ぜて、旨味成分を抽出する作業です。
