守り抜いた製法
2016/11/28
北半球のぶどう収穫も終盤ですね。マドリード近郊のセルべロスの畑の様子を見てみましょう。一般向けの収穫体験を開催しています。機械ではなく全て手作業です。 手摘み収穫のメリット
海抜は800m程あり、シストやライムストーンを含むセミデザートの土壌です。除草剤は蒔かないのでカバークロップで表土が覆われています。
乾燥地帯のスペイン、ポルトガル、南フランスでは、仕立て方がゴブレ(株仕立)なのが一般的です。よって収穫時期は木の高さに合わせて腰を屈める必要があります。結構な重労働です。
カーブでは選果台で収穫されたぶどうから腐敗粒や未熟粒を取り除きます。選果ですね。
果梗が付いたまま破砕しています。全房圧搾
ソーヴィニョンブランは茎や梗ごと全房発酵中です。
最後は非常に残念なシーンです。アンフォラが決壊して発酵中のグルナッシュが床一面に広がっています!!ただでさえ希少な年間500本の貴重なキュヴェです。当主のダニエルが悲しんでいる様子が想像できました。「何世紀も前から受け継いできたテクノロジー(技術)なので起こりうる事だよ」と彼は言っています。祖父の時代のワインへ回帰が叫ばれる中、昔ながらの製法を守り抜いた証しだと感じました。