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BIOワインのイメージ①【除草剤・化学肥料使用の背景】

      2016/11/29

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こんにちは、大野みさきです。今回から2回に分けてBIOワインのイメージ、それは歴史的背景が半世紀かけて作り上げたと言う、お話をしたいと思います。BIOにはそれ特有のイメージがあります。日本ではインパクトが強かった4、50年前の先入観がすっかり定着してしまいました。それは一体どのようなイメージでしょうか。私たちがまずBIOワインに思い浮かべるのが、「臭い・不味い・汚い」の三拍子です。もちろん、造り手が意図している事ではなく、イズムを優先した結果、生じたものです。そろそろこのマイナスのイメージから脱却する時です。

 

現在、大半のワインが自然派、オーガニック、BIOワインに近いものではありますが、自然派ワインは明確な定義がないのが現状です。EUやアメリカには専門の認定機関がありますが、日本ではJASがオーガニック認定を担っている程度です。それも元々、ワインではなく農産物に対しての措置でした。日本の行政は縦割り社会である為、JASを管轄するのが農水省、ワインに関する唯一の法律である酒税は税務署の管轄です。完全にイメージやインプレッションの世界ですが、その線引きはどこにあるのでしょうか。片寄りすぎたBIOワインのイメージを払拭する為に、客観的なアプローチと把握が必要になってきます。

 

フランスにおけるオーガニックワインは1960年と言う年を境に、従来の農業と近代の農業に分けられます。1960年代、化学肥料や農薬の概念がまだない時代に、除草剤が誕生しました。誕生の背景には1970年代の大量生産・消費社会がワインにも求められ、それは大きな影響を与えました。フランスでは現在でも経済的な面で醸造の設備が整っていないところが多く、実際、ぶどう栽培から醸造、ボトリングまでを一貫して行っている元詰めは全体の30%にも及びません。ぶどうの栽培家とワインの醸造家が各々存在している状況です。一部の造り手を除いて、醸造家が栽培を栽培家が醸造をする事は実質不可能なのです。元詰めであっても採算が合わず、如何に人件費を削減するかに頭を悩ませました。

 

栽培では特に、草引きの人件費が馬鹿にならず、畑の整備には1ヶ月から数ヶ月かけて行われます。1960年代以前、元詰めのワイン造りではビジネスとして到底、成り立ちませんでした。そんな中、農業の近代化として1番最初に登場したのが、除草剤でした。数ヶ月要した草引き作業が、僅か3日で済み、低コストで人件費の大幅な削減に成功しました。当然の事、大半の畑で除草剤が使用されました。草引きの人件費を削減する為に除草剤を散布する事、死活畑は負のスパイラルが始まりました。除草剤は土壌にどの様な影響を与えるのでしょうか。散布が施されると、まず土が固くなります。固い土の中に有機物が閉じ込められ消滅し、土壌の蘇生が不可能となります。よって、樹勢はあるが、ぶどうが育たない、熟さない事態が起こります。当然のことながら、完熟しないぶどうからは優れたワインは望めません。

 

1970年代に入ると完熟したぶどうを求めて化学肥料の使用も始まりました。化学肥料の投入は、時代の大量生産に対処していく社会的な背景もあります。瞬く間に未熟果実は解消されましたが、新たに別の問題が浮上しました。アルコール度数と果実味はあるが、ミネラルが欠乏したワインに仕上がりました。その理由は、表土に撒かれた肥料は、地表に残留して土壌を異質なものへと変化させたからです。養分を地表で得られるので、ぶどうは地中深くまで、根を下す必要がなくなったのです。ぶどう栽培はスパルタ式ではないとダメなのです。縦ではなく横に伸びた根。即ちそれは、ミネラルを含まないのっぺりとした平たいワインになりました。

 

1980年代になるとミネラル不足を解決する為に、醸造家が力量を発揮しました。大量生産志向も影響し、一定の濃さで果実味が厚いスタンダードなスタイルのワインが誕生しました。この後、バイオの時代に突入するのですが、BIOワイン界ではどのような動きが見られるのでしょうか。引き続きBIOワインのイメージ②【昔のワインへの回帰】をご覧下さい。

 

 

 

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