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BIOワインのイメージ②【昔のワインへの回帰】

      2017/02/17

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皆様、こんにちは!大野みさきです。前回は除草剤・化学肥料使用の背景についてお話ししました。人件費削減と負のスパイラル脱却に起因していましたよね。BIOワインが持つ特有のイメージはどのようにして生まれたか。今回は更に少し掘り下げてお話を進めて行きましょう。

 

1990年代はバイオの時代へと走りました。スタンダードなワインの多様化で、人工培養酵母の添加を施し、SO2が多用されました。アルコール度数も人為的にコントロールされました。その一方で、味わいには批判が集まりました。バナナ香は第一アロマの特徴でもありますが、当時は人工酵母のニュアンスが強かったからです。化学肥料の批判、味わい、価格の理由から「昔のワインへの回帰」が起こります。軽くて日常で楽しめるリーズナブルな1ℓボトル仕様で、飲み疲れのしない、健やかなワイン、1960年より前の「祖父のワインへ戻ろう」と言う動きが見られました。化学的に汚染された土地は(現在約半分の畑)、土壌の改良か新天地を見つけるしか対策がありません。

 

当時は化学による人的介入は哲学の定立上、悪しき行為とされていました。栽培や醸造においては原理主義的なアプローチが根源で、ワインが美味しいか否かは問題ではありませんでした。1980年代後半~2000年まで美味しいワインVS本物の(正しい)ワインのせめぎ合いが続きました。本物とはイズムやスタンスと人的介入をしないプロセスで造られたワインを指します。

 

ワインは美味しいという前に本物でなくてはならない

 

ビオディナミの第一人者であるニコラ ジョリの言葉にもそうあります。清潔なカーブ保持の失念、SO2の無添加、アンフォラの多用、醸しの最中の果房管理を怠る等、今よりも醸造技術も低い上に、いい加減な造り方をした為、必然的に失敗作ができあがりました。腐敗酵母によるブレット。メチオノール、メルカプタン、硫化水素等の硫黄化合物の発生により、ワインは大きく還元に傾き、下水溝、火薬、硫黄臭、豆香の強い刺激がワインに現れました。BIOの世界では失敗作にも関わらず、当たり前のように市場に流通し、BIOワインイコール「臭い・不味い・汚い」の三拍子で認知され、半世紀経った今もなお、私たちのイメージにそう刻まれています。「変態ワインと」称され、「臭くないとBIOじゃない」と思い込んでいる人もいるほどです。

 

2000年代に入ると、栽培、醸造技術が飛躍的に進歩し、BIO(ビオディナミ)ワインは哲学、教育、文学の分野で広がりを見せ徐々に認知されていきました。ビオディナミ自体は1970年辺りの、まだ哲学がなかった時代から、田舎の農家で造られてきたものですが、定着をしてきたのは今世紀に入ってからです。

 

2012年以降、今までのカテゴリーに当てはまらない新しい造り手が出てきました。昨今、ロワール、アルザス、ジュラの北部僻地の造り手が、ラングドックをはじめとした南部への移動が見られます。彼らによる新天地での挑戦が始まりました。この先、ポストBIOはどうなって行くのでしょうか。今後の動向に目が離せません。

 

 

 

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