長命ワインが持つ7つの要素
2016/12/05
①残糖が多い
②ポリフェノールが多い
③樽由来のポリフェノールが多い
④有機酸が多い
⑤アルコール度数が高い
⑥エキス分の濃縮度合いが強い
⑦遊離亜硫酸の量が多い
長期保存可能な長命ワインの特徴を挙げてみました。7項目ありますが、多く当てはまれば当てはまるほど、ワインは長持ちする要素を兼ね備えています。⑦遊離亜硫酸の量が多い を詳しく解説すると、
亜硫酸(sulfurous acid)は、化学式 H2SO3 で表せる、硫黄のオキソ酸で、二酸化硫黄の水溶液中に存在するとされる酸の事です。亜硫酸(以下SO₂)は、酸化防止や殺菌、アセトアルデヒドとの結合による無害化に使われますが、遊離亜硫酸と結合亜硫酸の2種類があります。
・遊離亜硫酸(free sulfur)・・・遊離亜硫酸と総亜硫酸(total sulfur)との差が結合亜硫酸となる。
・結合亜硫酸(combine sulfur)・・・ワインの成分と化学反応して生まれたもので効力は低い。
総亜硫酸は亜硫酸全体の事で定期的に測定し、比率を目安に品質管理をしなければなりません。freeである遊離型が効能の鍵になっているんですね。上の7項目の表に戻ると、これらを網羅しているのが、極甘口の貴腐ワインやアイスワイン、ポートワインやレチョート等です。貴腐ワインのEUでのSO₂の最大許可量は、400ppm/Lと多めです。SO₂がワインを守り、保管が良ければ約200年もつ長命だと言われています。