潜在アルコール度数
2016/12/02
潜在アルコール度数とは、ぶどう果汁の糖度を測る指標です。潜在アルコール度数はボーメ度(オーストラリア)、ブリックス度(日本)、エクスレ度(ドイツ)と単位は様々です。果汁に含まれる糖が全てアルコールに変化した際、容量%でいくつになるかを計算した値です。浮ひょう、糖濃度ボーメ度計で計測します。
冷涼なワイン産地のワインはキレのある酸がみられ、10~12%の潜在アルコール度数の熟度の果実が得られます。温暖な産地では潜在アルコール度数は14~15%にもなり、パワフルなワインや上質な甘口ワインができます。糖度はおおよそ2%で1%のアルコールが生成されると言われています。アルコール度数が10~12%なら20~24%の糖度、14~15%なら28~30%の糖度という事になります。しかし、人為的にアルコール度数をコントロールする事は可能で、補糖により調節する方法はごく一般的です。
ちなみに収穫時の糖度の目安は、気候産地や生産者にもよりますが、スパークリングワインで16~20%、軽めの辛口白ワインで19~20%、重めの辛口白ワインで21~25%、辛口赤ワインで22~25%、甘口ワインで22~30%です。スパークリングワインの糖度が低いのは、二次発酵時に糖のコントロールが容易にできるからです。
また、ボトルに記載されているアルコール度数は、必ずしもその数字の通りではありません。±1~2%は誤差があります。と言うのも、畑で造られたワインは瓶詰後も生きています。思いの外、残存酵母の数が多く、糖の一部が残っていて、アルコール度数が上昇してしまう事もあります。その反対に、糖がアルコールに変わらずに残糖として残っている事もあるからです。