スロヴェニア旅行記Ⅳ
2016/11/24
スロヴェニアの記事も第4回目となりました。インポーターの大野です。さて、写真下の場所はどこだと思いますか。首都リュブリャナの鉄道駅の構内です。国際電車も国内外のバスもこのターミナルから出発します。
日本で言うなれば、東京駅に該当しますが、小国なのでとてもこじんまりとした駅なのです。チケットカウンターも3ヶ所、食事ができるレストランもマクドナルドを含めて3ヶ所しかありません。滞在中はマクドナルドに、WiFiを拝借しによく近寄りました。
今日は、ワインショップにオーナーであるデイビッドに再度、挨拶がてら訪れました。ワイナリーを紹介して欲しいと以前言っていた事を、従業員が申し伝えてくれていたので、まずは私自身の自己紹介と会社の紹介をしました。なぜスロヴェニアワインなのか、どんなワイン、どんな生産者を探しているのか、どうして欲しいのかを伝えました。すると彼は、「ワイナリーも良いインポーターを探しているところがあるし、お互いのニーズが合致すれば紹介してあげるよ。なんなら車で連れて行ってあげるよ」あっさりそう答えました。知り合って間もなく、よくわからない人にも関わらず、快く承諾してくれました。滞在2日目にして協力者を見つけました。この出会いと彼の気持ちに感謝です。
その後、彼が講師のブラインドテイスティングセミナーに飛び入り参加です。
地元の若者が参加しました。皆様、初めてテイスティングをするそうです。わからない、難しいと首をかしげながらディスカッションをしていました。外観、香り、味わい。普段は「美味しい」「好き」「美味しくない」「嫌い」以外は、全く気にも留めていなかった事です。慣れないとブラインドテイスティングは大変な作業ですね。
マルバジア、シャルドネ、トカイ、モドリーピノ、カベルネフラン、メルロなど全部で6種類をテイスティングしました。テイスティングシートはスロヴェニア語で記載されていました。点数式ですね。スロヴェニア語は読めませんが、何となくチェックする内容はわかります。
通常テイスティングの際、ワインは飲み込みません。利く数が多くなればなるほど、尚さら飲まずに吐き出します。その理由は、次第に酔っ払って、テイスティングの分析が正しくできなくなるからです。驚くことに彼らは、全量を飲み干して次のワインを利きます。
「アジア人はヨーロッパ人のように元来アルコールに強くないんです」「こんなに飲めません」と言ったところ、笑いが取れました。私のグラスだけ注ぐ量を減らしてもらいました。
セミナーとは別でMANSUSのワインを開けてくれました。琥珀色の液体は白ワインです。いわゆるオレンジワインですね。白ワインは醸造工程で皮を除去したぶどうジュースを発酵させて造ります。スキンコンタクトと言って皮と果汁を接触させて(醸す)造られるワインもあります。醸しの時間が1年以上と長いのが特徴です。
このワインを飲む前は、オレンジワインは日本で売るのは難しいだろう、私にはその力がないだろうと思っていましたが、一口飲んで考えが変わりました。厚みとコクにあふれていて、酸も豊かです。何よりも日本人に馴染みのある、出汁の味がします。旨味の宝庫です。和食とも間違いなく合います。アルコール度数も16%と高いのに全くアルコールを感じません。それだけ上質な完熟ぶどうを使っているという事です。ずっと飲んでいられる、飲み疲れのしないナチュラルなもの。価格次第で是非とも、輸入したいワインです。そして、このワインを造る人に会ってみたいと思いました。