グラシアーノ(Graciano)
2017/02/26
グラシアーノ Graciano
グラシアーノと言うぶどう品種をご存知ですか。スペインのリオハで栽培されている黒ぶどうです。長期熟成向けのレセルバやグランレセルバクラスの高級ワインに補助的に使用されるので、高貴品種とも言われています。豊かな酸とアロマに富んでおり、テンプラニーリョに不足する部分が補われます。リオハを代表とする赤ワインの要素にはグラシアーノが大きな影響を与えていると言っても良いでしょう。しかし、100%ではなくあくまでも脇役の存在である理由は、グラシアーノのその希少性からです。つまり、高価なんです。
非常にデリケートで気難しく、栽培も手間がかかる品種です。気候に左右される事が多く、栽培量も取れず、ぶどうに対しての出来上がり量も少なく、採算性が合わず、長らく普及しませんでした。しかし、最近ではグラシアーノ100%を造る生産者も現れ、次第に注目しはじめられました。実際、1985年までは130haの作付け面積が、近年では450haほどに拡大したと言われています。
365wineの長らく人気を誇っていた、グラシアーノを100%使用した「ムツオクリアンサ2011」単一品種で造られる事は珍しい品種を、惜しげもなく使いました。リオハのサンタルバが手掛ける、天然酵母を使用したオーガニックワインです。酸が豊富な品種なので、若いうちは荒々しさがあり、熟成を得てはじめて真価が発揮されます。6年の熟成から酸は落ち着きを見せ、タンニンに丸みが帯びてきました。
カベルネソーヴィニョンの様な濃いワインレッドの外観。ブラックチェリー、梅ジャム、ブルーベリージャムなどの強い濃厚なアロマと僅かなスパイス香、木香が上品に広がります。イキイキとした酸としっかりとしたタンニンに支えられた骨格、雑味や粗さは感じないエレガントな仕上がりです。プルーンなどの熟した黒系果実の甘味もあります。余韻も長く実に複雑なワインです。「アロマ・酸・複雑性」この3拍子が揃ったワインです。2011年ヴィンテージは今飲んでも美味しいし、もう少し寝かせていても楽しめるワインです。次回の入荷は予定していないワインなので早いもの勝ちです。お早めにどうぞ。