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カルフォルニアワインの樽が強い理由

      2017/03/08

皆様こんにちは。突然ですが、アメリカワインに対してどのようなイメージをお持ちでしょうか。世界第4位の生産量を誇るアメリカですが、全米の90%以上をカルフォルニアが占めています。その上、大規模なワインメーカー10数社がその90%を生産しています。どうしても大規模な農園をイメージしてしまいます。ワインの味わいはと言うと、日照量にも恵まれている為、豊かな果実味とパワフルなボディ、そして何と言っても、あの樽香の強さと言ったら。例えるのなら、香水を全身にまとったナイスバディのギャル。メイクもばっちりです。素肌感だけでなく彼女自身のキャラクター(品種の個性)を包み隠してしまう程のものもあります。さて、今日はタイトルにもありますように、カルフォルニアワインの樽香についてです。カルフォルニアらしいと言ってしまえば、それまでですが、シャルドネでもカベルネソーヴィニョンでも品種の個性がなくなってしまうほど、何故あんなに樽を強く利かせているのでしょうか。

 

未熟香

 

答えは簡単です。アメリカ人は未熟香を大変嫌う傾向があるからです。未熟香とはひと言で言えば、完熟していない果実から香る、青っぽい香りの事です。原因物質はメトキシピラジンと呼ばれる物質です。アミノ酸の代謝により、生成される含窒素複素環化合物の事で、ごぼう、ピーマン、アスパラ等の青臭い匂いがします。その上、メトキシピラジンは極めて低い濃度でも感知されます。閾値なのでその程度にもよりますが、グリーンな印象を与えるタイプのワインに感じられた場合は、ポジティブと見なされます。しかし、濃度が高いと青さが際立ち、この未熟香がアメリカ人には好まれません。

 

未熟香が現れないようにするには、完熟果実を使えばよいのですが、ここでひとつ問題が浮上します。カルフォルニアのような太陽に恵まれた温暖な気候条件の下では、完熟過多になってしまいます。糖度が高いとアルコール度数もおのずと上昇します。その一方で、ワインには欠かせない酸度が下がるのです。味わいを形成する酸味が欠如すると、厚ぼったく締まりのないワインが出来上がってしまいます。その結果、アメリカンオークをこれでもかと使い込み、樽が強いものへと仕上がってしまう訳です。未熟香を認めないが故に生まれた、ワインを樽でカバーしようと言う試み。もちろんアメリカンオークを控えめにしたエレガントなタイプのワインを造っている生産者もたくさんいますが、一般的にはカルフォルニアワインは皆様のイメージの通り、濃くて重く、樽香が強く感じられる傾向があります。次回、カルフォルニアワインを召し上がれられる際は、樽感が強いその理由を思い出してみて下さいね。

 

 

 

 

樽を使ったワインならスロヴェニア産もあります。清涼感ある香りと黒系果実の香り、カシスリキュールやジャムのような凝縮された果実味も感じられます。生き生きとした酸と丸みのあるタンニン、アルコールのボリュームがバランス良いです。飲み口の良さの後には、比較的長い余韻が続きます。ボルドーなどの旧世界でも、カルフォルニアやチリなどの新世界にも当てはまらないユニークで面白味のある味わいです。今飲んでも、もう少し熟成させても楽しめるワインです。牛サーロイン、ランプステーキ、仔羊ステーキ。ローストビーフ、シチュー、焼き肉などの肉料理全般に合います。

《カベルネソーヴィニョン2013》
品種:カベルネソーヴィニョン
産地:スロヴェニア
タイプ:フルボディ赤ワイン
価格:3,300円

 

 

 

 

エレガントな樽香ならバルベーラはどうでしょう。赤系プラム、チェリー、ベリー、バラの花が香ります。豊かな酸とシルクのような滑らかなタンニンの調和が美しくエレガントです。樹齢40年の古木が醸し出す、落ち着き感が表れています。やっと最近、飲み頃がスタートしました。エビチリ、生ハム、煮物、すき焼き、ビーフシチュー、フレッシュミモレット、パルミジャーノレッジャーノなど。アペタイザーからメイン、チーズに至るまで幅広く合わせて頂けます。記念日やとっておきの日に楽しみたい、そんな絶品プレミアムワインです。

 

《バルベーラ2011》
品種:バルベーラ
産地:スロヴェニア
タイプ:ミディアムボディ赤ワイン
価格:5,500円

 

 

 

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