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それって本当にミネラル!?

      2017/01/05

ライムストーン

 

「ミネラル」特に白ワインのテイスティングの際、最も口にされている表現なのではないでしょうか。ミネラルは土壌に含まれるカリウムやマグネシウムの事で、そこに育つぶどう木とそこから造られるワインに影響を与えます。ミネラル分は立体感や凝縮した味わいなどのストラクチャーを形成します。わかりにくいので例を挙げましょう。日本の水は軟水ですが、ヨーロッパでは石灰質土壌が起因するので硬水です。コップに水を汲んで暫く置くと、硬度が高いのでミネラルが結晶化して沈殿しているのをよく見かけます。時にコントレックス(ミネラルウォーター)などの超硬水は苦味さえ感じます。あの鉱物感がミネラルとイメージして頂いて、間違いないでしょう。

ミネラルが豊富なワインの代名詞と言えば、フランスのシャブリ地区のシャルドネですよね。灰色の泥灰土と貝殻などの石灰層が交互に堆積した今から1億5千万年前のジュラ紀の土壌で、キンメリジャンと呼ばれています。この白亜質土壌がもたらす、シャブリの鋼のようなキレを好む方も多いのですが、ちょっと待って下さい。普段、貴方がミネラルだと認識しているもの、果たしてそれは本当にミネラルなのでしょうか。実はミネラル香に間違われやすい香りが他にもあるのです。それらと取り違えている可能性もあります。

 

 

〈ミネラルの原因物質〉

・ミネラル
・硫化水素
・SO₂(亜硫酸)

 

ミネラルに間違えやすい物質は、硫化水素とSO₂(亜硫酸)の2つです。硫化水素系の香りは還元臭の元となる硫黄化合物です。嫌気下の環境で、酵母はたんぱく質を分解し(=窒素同化)硫黄生成を行います。その時に発生するのが、硫化水素です。SO₂(亜硫酸)もまた、ミネラルっぽさを感じさせます。シャブリ地区は、SO₂含有量1、2を争う程のSO₂文化です。シャブリのシャルドネが色薄くて緑がかっているのは、SO₂の使用量が多いのが所以です。

 

”It’s very mineral"

"C'est très minéral"

 

貴方が多用している、「ミネラリー(仏語:ミネロー)ですね」「ミネラル感がありますね」は、本当に土壌のミネラルが影響しているものなのか、あるいは硫化水素やSO₂由来のものでしょうか。テイスティングの時、大野はもっぱら生産者に対してのリップサービスとして、使っていたりします。だってミネラリーは彼らにとって、言われて嬉しい最高の褒め言葉なんですもの。

 

 

 

 

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